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グリーフケア含め薬剤師向け研修を強化
クオール株式会社の「たちばな薬局」

クオール株式会社(東京都港区)の「たちばな薬局」(神奈川県川崎市)は、2010年から在宅医療に取り組み始め、今は、薬剤師の研修や教育を強化している。「たちばな薬局」は、聖マリアンナ医科大学病院(同市、1208床)の前に店舗を構え、調剤処方だけでなく、同院と連携して同市北部の患者宅や介護施設などに出向いたりしている。

▲「たちばな薬局」で在宅を始めた小岩さん(左)と現在の薬局長の長澤さん

「たちばな薬局」には現在、19人の薬剤師がいる。その薬剤師たちを束ねる長澤敬輔さんは、昨年10月から薬局長になった。長澤さんは、「たちばな薬局」で在宅医療の研修や教育を強化することについて、「実際に訪問に行くと、独居の患者さんがお亡くなりになっていた場面に出くわすこともありました。薬剤師のメンタルな部分をケアしながら医療人としての責務を全うしていく力が必要になるので、研修や教育は大事にしています」と話す。

薬剤師について厚生労働省は、カウンター越しに処方薬を患者に手渡すだけでなく、地域に根付いて、日ごろから住民の健康管理に関与し、予防医療を推進する「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」に誘導するような施策を相次いで打ち出している[1]。しかし、地域住民にとっての「かかりつけ」として、薬局の薬剤師の役割を果たすのは簡単ではない。独居の患者宅を訪問すると、掃除まで手が行き届かず、散らかしっ放しだったりすることもある。服薬管理のために訪問しても、残薬を調べるためにまず、掃除から始めたりすることもある。さらに、薬剤師が、独居の患者が亡くなっているのを第一発見者となり、所轄の警察に通報することもある。

在宅医療スタートは6年前

「たちばな薬局」の在宅医療の歴史は長い。「たちばな薬局」の前の管理薬剤師の小岩徹さんが、6年前に始めた。小岩さんは現在、「たちばな薬局」を含む地域全体を統括している。クオールはもともと、今の「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」という名称が出てくる前から、「地域密着のかかりつけ」を推進するために、在宅医療は欠かせない要素だと考えていた。そこで、クオールは在宅医療を始めようとする「たちばな薬局」を全面的に支援した。

▲6年前に在宅医療を始めた小岩さん

小岩さんは2年前、クオールの本部に対して、「たちばな薬局」に無菌調剤室(クリーンルーム)と、ほこりや環境微生物の混入を避けながら作業をする装置(クリーンベンチ)を設置するよう要望した。「たちばな薬局」の店舗内に、クリーンルームを置くためのスペースが十分にあったため、すぐに設置された。

小岩さんが「たちばな薬局」に異動してきたのが、今から7年前。赴任1年後に、在宅医療に挑戦しようと考えた当時を振り返りながら、こう話す。

「ここに来てからずっと、大学病院の高度医療に関する処方せんを中心に調剤していましたが、高齢化が進展するこの社会では在宅を推し進めなくてはいけないと思い、6年前に決断しました。最初は、個人宅を1軒から始めて、次第に施設と連携を拡大していきました。その後、終末期のがん患者さんなどが自宅で最期を迎えたいというニーズが多くなりました。それには、疼痛管理のための医療用麻薬を調剤するクリーンルームが必要だと考えました。本部に申請して程なく、クリーンルームの設置が決まったのは、本当にうれしかったです」

「たちばな薬局」で在宅医療を始めた小岩さんは、手探り状態だった。病院の主治医から訪問指示を受けて、患者宅を訪問することになった。

まずは、ケアマネジャーと頻繁に連絡を取るようにした。小岩さんは、「最初は患者宅に行って、服薬指導や残薬管理でもするものだと思ったら、まったく現実は違って、患者さんの生活全体を把握することから始まりました」と話す。訪問診療に同行するときには、医師から処方提案を求められ、これまでの薬学的知識を発揮することになった。

あるパーキンソン病の患者さんは、聖マリアンナ医科大学病院で長年治療を受けていたものの、通院が困難になり、在宅での療養が中心になった。薬局に処方薬を受け取りに来ることもできなくなっていた。小岩さんが訪問し、主治医による処方薬の残薬管理に加えて、効果や副作用などを細かく報告するようにした。そうすると主治医からは、「病院の診察室では見えない、患者さんの家庭での様子が分かって助かった」と感謝されたこともあった。

「在宅医療を嫌がる薬局の受け皿になる」

「たちばな薬局」では、在宅医療の難しさにも直面している。これまでカウンター越しでしか患者と対話をしていない薬剤師の中には、患者の家に入って行くことに抵抗を感じる人もいる。「たちばな薬局」では、薬科大学から実務実習の薬学生を受け入れているが、同行する学生は自身が抱いている在宅医療のイメージと現実とのギャップに驚く。

▲「たちばな薬局」を任されている長澤薬局長

そこで、「たちばな薬局」は、薬剤師を対象にした研修・教育を強化することにした。無菌調剤ができる薬局はまだ多くはないため、薬剤師への技術の教育には、一層注力しているところだ。さらに、在宅だと終末期に接することも少なくないため、薬剤師や実習生へのメンタルケアにも力を入れている。

具体的には、グリーフケア(喪失に関係するさまざま思いへのケア)を導入した。グリーフケアの専門家を招いた勉強会などを催したりしている。薬学生には、卒業後に薬局の薬剤師となり、在宅医療に取り組む際の心構えなども教えている。

薬局長の長澤さんは、「患者さんを看取る場面になってくると、引き受けるのを嫌がる薬局も出てきます。その中で、在宅医療をやる私たちがしっかりと受け皿になることで、患者さんの家族にはとても喜んでもらえます。それを励みにして、薬局として在宅医療のノウハウを蓄積して、提供するケアの質を高めていきたいと思っています」と語った。

[1] 厚労省ウェブサイト 「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ 2015年
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html(2017年4月25日閲覧)

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