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投与方法

「用法及び用量に関連する注意」の変更箇所は以下のとおりです(2022年11月改訂)。
詳細はボトックス電子添文をご参照ください。


7. 用法及び用量に関連する注意(下線:変更箇所)
〈効能共通〉
7.1 複数の適応に本剤を同時投与した場合の安全性は確立されていないため、複数の適応に本剤を同時に投与しないことが望ましい。やむを得ず同時に投与する場合には、それぞれの効能又は効果で規定されている投与量の上限及び投与間隔を厳守するとともに、12週間のA型ボツリヌス毒素の累積投与量として400単位を上限とすること。ただし、上肢痙縮及び下肢痙縮に対する同時投与では合計600単位を上限とし、患者の状態に応じて徐々に増量する等、慎重に投与すること。海外臨床試験において、成人を対象に上肢痙縮及び下肢痙縮に合計600単位を同時に投与した経験はあるが、国内臨床試験では、複数の適応に本剤を同時投与した経験はない。

上限投与量の変更は上肢痙縮および下肢痙縮への同時投与のみが対象となりますのでご注意ください。
 

上限投与量(合計)

  改訂前
改訂後
上肢痙縮 400単位 400単位
下肢痙縮 300単位 300単位
上肢痙縮および下肢痙縮への同時投与(※) 400単位 600単位
複数適応に対する同時投与(※を除く) 400単位 400単位

 用法及び用量(抜粋)

<上肢痙縮>
通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計400単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は400単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。
※緊張筋:上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋等

<下肢痙縮>
通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計300単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は300単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。
※緊張筋:腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋等

【上肢痙縮】

用法及び用量

ボトックス電子添文をご参照ください。

  • 上肢への投与量は合計で400単位を上限とします
  • 複数の緊張筋に分割して投与します
  • 投与量は必要最小限となるように適宜減量します
  • 上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋等に筋肉内注射します


施注方法

関連動画

臨床試験における投与筋、投与量、投与部位数

投与筋 投与量(単位/筋) 投与部位数(部位/筋)
上腕二頭筋 70 2
上腕筋 45 1
腕橈骨筋 45 1
橈側手根屈筋 50 1
尺側手根屈筋 50 1
深指屈筋 50 1
浅指屈筋 50 1
長母指屈筋 20 1
母指内転筋 20 1

 

×印:臨床試験での投与部位


関与する筋

上肢でよくみられる姿勢異常には、以下のような筋が関与しています。

肩関節の内転・内旋

肘関節の屈曲

前腕の回内

手関節の屈曲

にぎりこぶし状変形

掌中への母指屈曲


投与部位の決定

上肢痙縮では、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋などに筋肉内注射します。以下に、投与部位を示します。

橈側手根屈筋への投与

上腕骨内側上顆と上腕二頭筋腱を結ぶ線分の中点から3~4横指遠位部に、1~2ヵ所注射します。

注射針の挿入が深すぎると、浅指屈筋に入る可能性があり、さらに深すぎると長母指屈筋に入る可能性があります。また、橈側に寄り過ぎると円回内筋に、尺側に寄り過ぎると長掌筋に入る可能性があります。

尺側手根屈筋への投与

前腕の近位部1/3等分の高さで、尺骨の掌側2横指の部位に、1~2ヵ所注射します。

注射針の挿入が深すぎると、深指屈筋に入る可能性があります。

深指屈筋への投与

検者の小指の先端が肘頭に来るようにし、環指、中指、示指を尺骨幹に沿って並べ、示指先端の骨幹掌側に1~2ヵ所注射します。

注射針の挿入が掌側に寄り過ぎると、尺側手根屈筋に入る可能性があります。

浅指屈筋への投与

患者さんの手関節の手掌面を握って、示指を上腕二頭筋腱に向かって伸ばし、示指の先端の尺側に1~4ヵ所注射します。

注射針の挿入が橈側に寄り過ぎると橈側手根屈筋に入り、尺側に寄り過ぎると尺側手根屈筋に入る可能性があります。

長母指屈筋への投与

前腕中央部で橈骨掌側の尺側縁に針を挿入し、橈側手根屈筋および浅指屈筋を貫通して長母指屈筋に到達させ、1ヵ所に注射します。

注射針の挿入が浅すぎると、浅指屈筋に入る可能性があります。

母指内転筋への投与

第1指間の非固定部に針を挿入し、第1中手骨底に向かって進入させ、1ヵ所に注射します。

【用法及び用量】
<上肢痙縮>
通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計400単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は400単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

※緊張筋:上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、母指内転筋等

【下肢痙縮】

用法及び用量

ボトックス電子添文をご参照ください。

  • 下肢への投与量は合計で300単位を上限とします
  • 複数の緊張筋に分割して投与します
  • 投与量は必要最小限となるように適宜減量します
  • 腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋などに筋肉内注射します


施注方法

関連動画

臨床試験における投与筋、投与量、投与部位数

投与筋 投与量(単位/筋) 投与部位数(部位/筋)
腓腹筋(内側頭) 75 3
腓腹筋(外側頭) 75 3
ヒラメ筋 75 3
後脛骨筋 75 3

 

×印:臨床試験での投与部位


関与する筋

下肢でよくみられる姿勢異常には、以下のような筋が関与しています。

股関節の内転

股関節の屈曲

膝関節の屈曲

膝関節の過伸展

尖足・内反尖足

母趾過伸展


投与部位の決定

下肢痙縮では、腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋などに筋肉内注射します。以下に、投与部位を示します。

腓腹筋(内側頭、外側頭)への投与

下腿の近位1/3部で、触診により腓腹筋の内側頭と外側頭を確認し、この高さを中心に内側頭1~3ヵ所、外側頭1~3ヵ所に注射します。

外側頭への注射時に、注射針の挿入が外側に寄り過ぎると、長腓骨筋に入る可能性があります。また、注射針の挿入が深すぎると、ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長母趾屈筋に入る可能性があるほか、血管や神経に接触する可能性があります。

ヒラメ筋への投与

下腿中央の高さで1~3ヵ所に注射します。

注射針の挿入が深すぎると、長趾屈筋、後脛骨筋または長母趾屈筋に入る可能性があるほか、血管や神経に接触する可能性があります。

後脛骨筋への投与

下腿中央の高さで1~3ヵ所に注射します。後脛骨筋は脛骨の後部にあり、直接触診はできないので、超音波ガイドや筋電図モニター、電気刺激で同定します。下腿の中央部で、脛骨の後面に沿って挿入します。

注射針の挿入が浅いと、長趾屈筋に入る可能性があります。また、後脛骨動・静脈、腓骨動・静脈および脛骨神経がヒラメ筋と長趾屈筋、後脛骨筋との間にあるので、針を後方へ進めないように注意します。前方には前脛骨動・静脈もあります。

【用法及び用量】
<下肢痙縮>
通常、成人にはA型ボツリヌス毒素として複数の緊張筋※に合計300単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は300単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。

※緊張筋:腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋等

施注のポイント

ボツリヌス療法の効果が認められないことがあり、その原因として、用量が低すぎる可能性が考えられます。表に示したように、患者さんの体重、筋の大きさ、同時に注射する筋の数、痙縮の程度などに応じて、用量の設定を行います[1]

用量の設定に際して考慮すべき点

患者の状態など 筋あたりの用量
以下の場合は用量を減らす 以下の場合は用量を増やす
患者の体重
軽い
重い
筋の大きさ
非常に小さい
非常に大きい
同時に注射する筋の数
多い
少ない
Ashworth Score
低い
非常に高い
治療による筋力低下
著しい
ほとんどない
前回の治療効果 過剰な筋力低下 不十分な反応

痙縮の治療では、23~30ゲージの針が用いられています。一般に、細い針のほうが痛みは少ないと考えられますが、体動が大きいと針が破損する危険がありますので、筋の大きさや年齢などに合わせて針の太さを選択します。

投与後の注意

ボツリヌス療法に伴う活動性の上昇や筋力バランスの変化により、転倒等が起こりやすくなる可能性があります。

  1. Brin MF et al. Muscle Nerve 1997;20(Suppl 6 ):S208-S220

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