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薬物動態
ボツリヌス療法

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監修:徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 神経・情報医学部門
感覚情報医学講座 臨床神経科学分野 教授 梶 龍兒 先生

ボツリヌス毒素は食中毒の原因毒素であり、自然界に存在する物質の中で生体に対する活性がもっとも強い物質のひとつです。

ボツリヌス毒素とは

ボツリヌス毒素は、グラム陽性偏性嫌気性桿菌であるボツリヌス菌によって産生される毒素です。この毒素は抗原性により7種類(A~G型)に分類されています。
自然界に7種類あるボツリヌス毒素のうちA型が最も毒性が強く安定しているとされています。このボツリヌス毒素を米国のScottが1977年に初めて斜視に対して臨床応用し、その後、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮および小児脳性麻痺患者の下肢痙縮に伴う尖足の治療にも用いられるようになりました。
A型ボツリヌス毒素は神経筋接合部で神経終末に作用し、アセチルコリンの放出を抑制します。これにより、アセチルコリンを介した筋収縮が阻害され、筋の攣縮および緊張を改善します。
[1]

また、A型ボツリヌス毒素は神経と汗腺の接合部におけるアセチルコリン放出も阻害し、発汗を抑制する作用があることから、原発性腋窩多汗症(重度)の治療にも用いられます。[1]

A型ボツリヌス毒素の作用機序[1]

  • A型ボツリヌス毒素がコリン作動性神経終末に結合します。
    筋肉や皮内に注射されたA型ボツリヌス毒素は重鎖によって神経終末のレセプターに結合します。
  • 神経細胞内にA型ボツリヌス毒素が取り込まれます。
    A型ボツリヌス毒素はエンドサイトーシスによって神経細胞内に取り込まれ、エンドソームが形成されます。
  • 神経終末でアセチルコリンの放出を阻害します。(神経毒作用)
    エンドソームからA型ボツリヌス毒素の軽鎖が細胞質に放出されます。アセチルコリンのエキソサイトーシスに関与するSNAP-25を軽鎖が切断して、アセチルコリンの放出を阻害します。

末梢神経終末の接合部を示した模式図です。

A型ボツリヌス毒素が神経終末の受容体に結合します。結合するのは毒素の重鎖領域で、神経終末に対して高い親和性を示します。

A型ボツリヌス毒素は、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれます。

毒素を取り込んだ小胞が神経終末内部に形成されたのち、毒素の軽鎖領域が細胞質内に放出されます。

A型ボツリヌス毒素はSNAP-25と呼ばれる蛋白を切断することにより、アセチルコリンの放出を阻害します。

SNAP-25は細胞膜に局在し、アセチルコリンの放出に関与します。上記のメカニズムにより、アセチルコリンを介した筋収縮および発汗が阻害されることになります。なお、ボツリヌス毒素はアセチルコリンの合成や貯蔵、神経伝導には影響を及ぼしません。

作用の発現と持続期間

毒素は投与されると直ちに神経終末への取り込みが始まります。通常、毒素の薬理作用は、注射後24時間以内に発現しますが、実際に臨床効果が確認されるのは2~3日後であることが多いようです。
薬理効果と臨床効果の間に時間差がある理由は、まだ解明されていません。
臨床的には、投与後およそ1~2週間以内に効果が安定し、数ヵ月間持続します。
[1]

  1. 目崎高広, 梶 龍兒. ジストニアとボツリヌス治療 改訂第2版, 診断と治療社, 2005

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。
製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。