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小児脳性麻痺患者の下肢痙縮に伴う尖足 投与方法

用法及び用量

初回投与量4単位/㎏を、罹患している腓腹筋の内側頭・外側頭の各々2ヵ所に筋肉内に投与する。
両下肢に投与する場合は、4単位/㎏を両肢に分割して投与する。

初回投与以降、効果不十分な場合にはヒラメ筋、後脛骨筋等へ追加投与することができます。
なお、症状に応じて適宜増減することができますが、1回の総投与量は200単位をこえないようにします。

再投与は前回の効果が消失した場合に可能ですが、
投与間隔は12週以上としてください。

関与する筋

小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足では腓腹筋(内側頭・外側頭)、ヒラメ筋や後脛骨筋が関与します。それぞれの筋の作用は単一ではなく、いくつかの運動に関与しています。各筋の作用は以下のとおりです。

  • 腓腹筋:膝関節の屈曲、足関節の底屈
  • ヒラメ筋:足関節の底屈
  • 後脛骨筋:足関節の底屈、足部のうちがえし(回外・内転)

投与部位の決定

腓腹筋への投与

下腿の近位1/3部で、触診によって腓腹筋の内側頭と外側頭を確認し、この高さを中心に内側頭2ヵ所、外側頭2ヵ所の4ヵ所に分割して施注します。

外側頭への施注時に、外側に寄り過ぎると、長腓骨筋に入る可能性があります。注射針の挿入が深すぎると、ヒラメ筋、長趾屈筋、後脛骨筋や血管および脛骨神経に入る可能性がありますので注意してください。

なお、うつぶせ姿勢では下腿下に枕を入れ、足関節を背屈させて、腓腹筋を軽く伸展させると触診しやすくなります。

ヒラメ筋への投与

下腿中央の高さで、1~2ヵ所に分けて施注します。下腿の中央部は、腓腹筋が薄くなっているので、最も施注しやすい部位です。

注射針の挿入が深すぎると、長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋に入る可能性があります。

 

後脛骨筋への投与

下腿中央の高さで、1~2ヵ所に分けて施注します。後脛骨筋は脛骨の後部にあり、直接触診はできないので、超音波ガイドや筋電図モニターで同定します。下腿の中央部で、脛骨の後面に沿って挿入します。

後脛骨動・静脈、腓骨動・静脈および脛骨神経がヒラメ筋と長趾屈筋、後脛骨筋との間にあるので、針を後方へ進めないように注意してください。

施注のポイント

小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足で緊張筋の同定が困難な場合には、筋電計、超音波検査やスティミュレーター等を用いて注意深く目標とする部位を同定し、筋ごとの適切な部位および投与量に留意して投与します。[1]
安静を保てない患者では、鎮静薬や局所麻酔薬を適宜併用します。なお、安静により痙縮症状が軽減されますので、鎮静前に筋緊張亢進部位を確認してください。
一般に、細い針のほうが痛みは少ないのですが、体動が大きいと針が破損する危険があります。下腿筋への施注の場合、23~30ゲージ針が用いられます。
[2]

  1. ボトックス電子添文2022年11月改訂(第2版)
  2. 阿部玲音ほか. 痙縮のボツリヌス治療(木村彰男編), 診断と治療社, 2010:79-85

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