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SLEにおけるB細胞免疫システム異常と病態のメカニズム

SLEの病態ではBLySが過剰に分泌されることにより自己反応性B細胞の生存及び分化が促進され、自己抗体が産生されます。組織に沈着した免疫複合体は炎症のちにフレアを起こし、長期的に臓器障害の発生につながると言われています。

SLEにおけるB細胞免疫システム異常と病態のメカニズム

編集協力：産業医科大学医学部 第一内科学講座 教授 田中良哉 先生

ベンリスタはSLEの治療薬として開発され
病態形成に関与するBLySを標的とした薬剤です

Bリンパ球刺激因子（BLyS）濃度は、SLEの疾患活動性と関連しています。
ベンリスタはBLySに結合し、その活性を阻害することで、自己反応性B細胞の分化を抑制します。また、B細胞から免疫グロブリンを産生する形質細胞への分化も抑制します[1]。

ベンリスタは自己反応性B細胞の生存および分化を抑制し、自己抗体産生を低下させることで炎症反応を抑制すると考えられています[2]。

ベンリスタの作用機序
  1. Stohl W et al.: Arthritis Rheum 64: 2328-2337, 2012
  2. Zhang et al.: Ann Rheum Dis 77: 355-363, 2018
    編集協力：産業医科大学医学部 第一内科学講座 教授 田中良哉 先生

参考情報
「疾患修飾（Disease-modification）」は、関節リウマチや神経変性疾患の領域において、医学的に、永続的な臨床効果を得ることを目的とし、疾患の根底となる病態に対して作用する治療として広く定義され始めています[3],[4]。一方で、現時点でSLEにおける疾患修飾の共通概念は確立されていません。しかし最近では、SLEでの疾患修飾に関する記載が報告され始めました[5]。
ベンリスタはSLEの病態形成の1つに関与するBLySを標的として、疾患を修飾する可能性が初めて示唆されました[6]。

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セミナー情報

4. 効能又は効果
既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス

5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 過去の治療において、ステロイド、免疫抑制薬等による全身性エリテマトーデスに対する適切な治療を行っても、疾患活動性を有する場合に、本剤を上乗せして投与すること。
5.2 抗核抗体、抗dsDNA抗体等の自己抗体が陽性であることが確認された全身性エリテマトーデス患者に使用すること。
5.3 臨床試験において、重症のループス腎炎又は重症の中枢神経ループスを有する全身性エリテマトーデス患者に対する有効性及び安全性は検討されていない［17.1.1-17.1.4参照＊1］［17.1.1参照＊2］。
5.4 17.臨床成績の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

6. 用法及び用量

  •  点滴静注用製剤
    通常、成人及び5歳以上の小児にはベリムマブ（遺伝子組換え）として、1回10mg/kgを初回、2週後、4週後に点滴静注し、以後4週間の間隔で投与する。
  •  皮下注用製剤
    通常、成人にはベリムマブ（遺伝子組換え）として、1回200mgを1週間の間隔で皮下注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤による治療反応は、通常投与開始から6ヵ月以内に得られる。6ヵ月以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.2 臨床試験において、本剤と他の生物製剤又はシクロホスファミド静注剤との併用に対する有効性及び安全性は検討されていない［17.1.1-17.1.4参照＊1］［17.1.1参照＊2］。

＊1：点滴静注用製剤
＊2：皮下注射用製剤

References

  1. Stohl W et al.: Arthritis Rheum 64: 2328-2337, 2012
  2. Zhang et al.: Ann Rheum Dis 77: 355-363, 2018
  3. Morant AV et al.: Front Med (Lausanne) 6: 223, 2019
  4. American Collage of Rheumatology. *Disease modifying antirheumatic drugs (DMARDs)*.
    https://www.rheumatology.org/Learning-Center/Glossary/ID/453, (2023年1月24日閲覧)
  5. Geisen UM et al.: Ann Rheum Dis 80: 1306-1311, 2021
  6. Levy RA et al.: Lupus: 9612033211028653, 2021

製品名はすべて、グラクソ・スミスクライン、そのライセンサー、提携パートナーの登録商標です。製剤写真及びPDF資料は、患者指導の目的に限りダウンロード頂けます。

PM-JP-BEL-WCNT-210011 2023.03